しかし、3波は闇雲に数えれば現れるものではありません。
重要なのは、3波が出やすい「環境」が整っているかどうかを見極めることです。
この記事では、移動平均線を使って3波が発生しやすい相場環境をどのように判断するのかを解説します。
なぜ3波だけを狙うのか
エリオット波動は5波動+3波動で構成されます。
全体構造については、以下の記事で詳しく整理しています。
エリオット波動は5波動+3波動で構成されますが、すべてを取ろうとすると判断が複雑になります。
実戦において最も効率が良いのは、群集心理が一方向に揃いやすい3波だけに狙いを絞ることです。
3波は、「まだ疑っている参加者」と「すでに方向を確信した参加者」が共存しながら、次第に後者が優勢になる局面です。
この心理状態は、価格と移動平均線の関係に非常に分かりやすく表れます。
移動平均線はエントリーのための指標ではない
多くのトレーダーは、移動平均線を「売買サイン」として使おうとします。
しかし、3波を狙う上での移動平均線の役割は、エントリーではありません。
移動平均線は、相場が今どのフェーズにあるのかを判断するための「環境認識ツール」です。
ダウ理論が示した「トレンドの方向」を、視覚的に確認するための補助線。
それが移動平均線の本質的な役割です。
3波が出やすい移動平均の基本条件
3波が発生しやすい相場には、共通した移動平均の状態があります。
- 移動平均線が明確に上向き(または下向き)になっている
- 価格が移動平均線の上(または下)に定着している
- 押し目・戻りが移動平均線付近で止まりやすい
これらはテクニカル指標というより、相場参加者の「共通認識」が形成されている状態を示しています。
グランビルの法則との思想的な共通点
移動平均線と価格の位置関係を重視する考え方は、古くから知られています。
代表的なのが「グランビルの法則」です。
ただし、本記事ではグランビルの法則を売買ルールとして使うことはしません。
重要なのは、グランビルが説明しようとした「相場の状態変化」という視点です。
移動平均線が傾き、価格がその上(下)で推移し、押し目が浅くなる。
これはまさに、エリオット波動における3波の心理状態と一致します。
私が見る「3波の入口」のイメージ

このチャートを見て、あなたはどこに「3波」を感じるでしょうか。
※このチャートは、エリオット波動の「正解のカウント」を示すものではありません。
トレーダーが相場をどのような「構造」で捉えているのかを、イメージするための概念図です。
私が3波を狙うとき、波を細かく数えることはほとんどありません。
見るのは、「相場が3波に入りやすい状態かどうか」だけです。
- 移動平均線の向きが明確か
- 価格が移動平均線から極端に乖離していないか
- 押し目(戻り)が感情的になっていないか
これらが揃っているとき、相場は「考えるより先に動く」フェーズに入りやすくなります。
それが私にとっての3波の入口です。
ボリンジャーバンドとの組み合わせ
移動平均線だけでは、相場の過熱感までは判断しにくい場合があります。
そこで補助的に使うのが、ボリンジャーバンドです。
特に意識するのは、±2σを「実体で抜けきれなかった」後の値動きです。
- 上昇局面で+2σを抜けきれず反転する動き
- 下降局面で−2σを抜けきれず反発する動き
これは、勢いが一度試され、なおトレンド方向が維持されたことを示します。
3波が続きやすい環境かどうかを判断する補助材料になります。
ボリンジャーバンドの考え方については、以下の記事で詳しく整理しています。
▶ 【FX】ボリンジャーバンド完全攻略|統計学・市場心理で読み解く順張りと逆張り戦略
MACDは「勢いの裏付け」として使う
移動平均線と価格構造で方向を判断した上で、
MACDは「その方向に進むだけの勢いが残っているか」を確認するために使います。
特に有効なのが、押し目・戻り局面でのダイバージェンスです。
▶ 【MACDを使ったFX相場攻略法】トレンドも逆張りもこれ一つで理解する。
注意点:移動平均に近づきすぎた3波
移動平均線に何度も深く触れる相場は、すでに勢いが落ちている可能性があります。
「3波だから伸びるはず」と思い込むのは危険です。
重要なのは、移動平均線が支えとして機能しているかどうかです。
3波環境を見極めるチェックリスト
- 移動平均線は明確な方向を示しているか
- 価格は移動平均線の優位側にあるか
- 押し目・戻りは過度に深くないか
- 勢い系指標で極端な弱まりは出ていないか
まとめ
3波を取るために重要なのは、完璧なカウントではありません。
ダウ理論で方向を定め、移動平均線で環境を確認し、エリオット波動で「今どのフェーズか」を把握する。
この順序を守ることで、3波は「狙いにいくもの」から「自然と現れるもの」へと変わっていきます。



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