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エリオット波動は「当たらない」「難しい」と言われがちですが、その多くは使い方を誤っているだけです。
1938年にラルフ・ネルソン・エリオットが提示した波動理論は、未来を予言する魔法ではなく、相場の構造と群集心理を理解するための思想でした。
この記事では、原典の内容とダウ理論との関係を整理した上で、私自身が実際のトレードでどのようにエリオット波動を使っているのかを解説します。
エリオット波動が誤解され続ける理由
エリオット波動という言葉を聞くと、「すべての波を正確に数えなければならない」「後講釈になりやすい」といった印象を持つ人も多いでしょう。
しかし、こうした認識は原典の思想から大きく外れています。
エリオット自身は、相場を完全に予測できるとは一度も述べていません。
彼が示したのは、相場がランダムに動いているように見えても、集団心理によって一定の構造を持つという事実です。
エリオットという人物と時代背景
ラルフ・ネルソン・エリオットは、いわゆる専業トレーダーではなく、会計士としてキャリアを積んだ人物です。
1930年代の大恐慌後、病気療養中に膨大な株価データを分析し、市場の値動きに共通する構造があることに気づきました。
彼が言及した「自然のリズム」とは、自然現象そのものではなく、人間の集団行動が繰り返し似た形を取るという比喩表現です。
ダウ理論とエリオット波動の関係
エリオット波動は、ダウ理論を否定するものではありません。
むしろ、ダウ理論が示した「相場にはトレンドが存在する」という考え方を、より細かく構造化した理論です。
ダウ理論が方向性(トレンド)を示す理論だとすれば、エリオット波動はその内部構造を説明する理論だと言えるでしょう。
1938年『The Wave Principle』の本質
1938年に発表された『The Wave Principle』は、エリオット波動理論を初めて体系的にまとめた小冊子です。
この中で、相場は主に5つの推進波と3つの修正波から成る8波構造で動くことが示されました。

重要なのは、この段階ではフィボナッチ比率が主役ではなく、あくまで観察に基づく構造理解が中心だった点です。
『Nature’s Law』が示した思想的背景
『Nature’s Law – The Secret of the Universe』では、エリオット波動が市場だけでなく、人間行動全般に共通する法則であることが語られています。
エリオットは、相場を完全な確率論ではなく、秩序ある集合行動として捉えようとしました。
相場が繰り返し似た形を作るのは、「そこに参加する人間の感情が似た経路を辿るからだ」という考え方です。
私がエリオット波動をトレードに落とし込む方法
私はエリオット波動を「すべての波を正確に数える理論」としては使っていません。
起点と狙う波を限定し、再現性のある部分だけを抽出して使っています。
上昇の起点の考え方
上昇の起点は、下降トレンドからの転換局面で判断します。
- ダブルボトムの形成
- ネックラインのブレイク
- ボリンジャーバンドの−2σを実体で抜けきれなかった後の反転
下降の起点の考え方
下降の場合も、上昇と対称の構造で判断します。
- ダブルトップの形成
- ネックライン割れ
- ボリンジャーバンドの+2σを実体で抜けきれなかった後の反転
ここで使っているボリンジャーバンドは「逆張り」ではなく、トレンド転換局面での過熱感を確認するためのものです。
ボリンジャーバンドの考え方や実戦での使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
MACDダイバージェンスの活用
起点付近でMACDのダイバージェンスが確認できる場合、群集心理の勢いが弱まっている可能性が高く、転換点としての信頼度が一段上がります。
MACDについては、以下の記事で詳しく解説しています。
狙うのは3波とC波だけ
最も取りやすいのは、群集心理が一方向に揃いやすい3波とC波です。
この局面は、リスクとリターンのバランスが最も良くなりやすいと感じています。
注意点とよくある誤解
エリオット波動は万能ではありません。
すべての値動きを説明しようとすると、かえって裁量がブレやすくなります。
また、ダイアゴナル・トライアングルなどの特殊形状は、特定条件でのみ出現するものであり、常に意識すべきものではありません。
エリオット波動を使うためのチェックリスト
- トレンド転換の構造が明確か
- 起点をダブルトップ・ボトムで確認できているか
- ボリンジャーバンドで過熱感を確認したか
- 狙う波を3波・C波に限定しているか
エリオット波動に関するよくある質問(Q&A)
Q. エリオット波動は本当に使えますか?意味ないと言われる理由は?
エリオット波動は有効な分析手法ですが、「主観が入りやすい」という弱点があります。
どこを第1波と数えるかはトレーダーによって異なるため、再現性が低いと言われることがあります。
そのため、単体ではなくダウ理論や水平線と組み合わせて使うことが重要です。
Q. 第3波は必ず一番伸びますか?
多くの場合、第3波は最も強いトレンドになりやすいですが、必ずしも最長になるとは限りません。
重要なのは「勢いが出やすい波」である点であり、他のテクニカルと合わせて判断することが大切です。
Q. 波動カウントが難しくてわかりません。コツはありますか?
まずは大きな時間足(4時間足・日足)からトレンドを把握し、その後に小さい時間足で波を分解するのがコツです。
時間軸によって波の見え方が変わるため、マルチタイムフレーム分析を意識すると理解しやすくなります。
Q. エリオット波動だけでトレードできますか?
単体でも分析は可能ですが、実践では他の手法と組み合わせるのが一般的です。
特に「水平線・トレンドライン・フィボナッチ」との併用で精度が大きく向上します。
Q. 推進5波・修正3波は必ず綺麗に出ますか?
理論通りに綺麗な形が出ることは少なく、実際の相場では崩れた形になることがほとんどです。
相場はノイズが多く、教科書通りにならないことを前提に柔軟に解釈する必要があります。
Q. 初心者はどの波を狙うべきですか?
最も狙いやすいのは「第3波」です。
トレンドが明確に出やすく、リスクリワードが良くなりやすいためです。
逆に第1波や第5波は判断が難しく、初心者にはあまりおすすめできません。
Q. エリオット波動とダウ理論の違いは何ですか?
ダウ理論は「トレンドの定義」に重点を置いたシンプルな理論で、
エリオット波動はそのトレンドの「内部構造(波の動き)」まで分析する点が違います。
両者は対立するものではなく、併用することで相場理解がより深まります。
まとめ
エリオット波動は、未来を当てるための理論ではなく、相場の構造を理解するための思想です。
ダウ理論で方向を捉え、エリオット波動で構造を把握し、指標で判断の確度を上げる。
この順序を守ることで、エリオット波動は実戦で十分に機能する考え方になります。

※このチャートは、エリオット波動の「正解のカウント」を示すものではありません。
トレーダーが相場をどのような「構造」で捉えているのかを、イメージするための概念図です。
ここまでで、エリオット波動が「予測の理論」ではなく、相場の構造と群集心理を読み解くための思想であることは伝わったはずです。
ただし、実際のトレードでは、「どの波を狙い、どの波を捨てるのか」この判断こそが結果を大きく分けます。

ライントレードはシンプルかつ強力な武器。一度引くと固定されるからこそ見えてくるとのがあります。

5波からの下落はABC波動を認識しつつmacdのダイバージェンスでチャンスを掴みに行きましょう!!




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