「この記事には広告が含まれます」
私がこの本を手に取るきっかけとなったのは、トレーダーにとってのバイブル『マーケットの魔術師』でした。
そこに登場するプロトレーダーたちが、声を揃えて勧めていたのがジェシー・リバモアの『欲望と幻想の市場』です。
驚いたのは、初めてページをめくったはずなのに、どこか既視感(デジャヴ)を覚えたことでした。
それはおそらく、私がこれまで学んできた「一目均衡表」の一目山人、そして「ギャン理論」のウィリアム・ギャン。
この偉大な先人たちが共通して抱いていた「時間」に対する並々ならぬこだわりが、リバモアの言葉の中にも脈々と流れていたからでしょう。
相場における「時間」の重要性——。
その本質を認めざるを得なくなった私にとって、この本は単なる成功物語ではなく、人生をシフトさせるための厳しい教科書となりました。
1. 負けは終わりではない。「相場とは何か」を探求する再起の道
おれはどんなに大きな合百(取引所)でも教えてくれなかった「相場とは何か」を研究することになった。
大負けしたとき、人は感情に支配され、すべてを投げ出したくなります。
しかしリバモアは違いました。
一文無しになってもなお、彼は「なぜ負けたのか」「相場の本質とは何か」を徹底的に、冷静に研究し直したのです。
「負けたら終わり」ではなく、そこからが本当の勉強の始まり。
このエピソードから、私は再起するために過去を省みることの重要性を学びました。
負けをどう受け止め、再起のきっかけに変えていくのか。
→ 実際のトレード経験から学べるケーススタディはこちら
ここで、あなた自身のトレードを少しだけ振り返ってみてください。
直近の負けトレードを、感情を切り離して「なぜそうなったのか」を時間をかけて見直したことが、果たしてどれほどあったでしょうか。
感情を排し、徹底的に自分を客観視する。
その姿勢こそが、ライフシフトを可能にするのだと、私はこの一節から強く感じました。
そんな彼もまた、投機の世界の厳しさを誰よりも知っているからこそ、膨大な時間を研究に費やしてきました。
さらに、私がテクニカル分析で使い続けている一目均衡表の生みの親である一目山人氏も、膨大な時間と多くの同志と共に、一目均衡表を完成させています。
やはりこの世界を戦場にするということは、リバモアが言う通り「なぜ負けたのか」「相場の本質とは何か」を徹底的に、冷静に研究し続けることしかない。
その事実が、経験を重ねるほど身に染みて分かってきました。
2. リバモアとギャン。天才たちを繋ぐ「人間味」と「利他」の精神
私の大好きなウィリアム・ギャンが、実はリバモアから多大な影響を受けていたことを知り、深い感銘を受けました。
実際に二人は何度も面会しており、リバモアが無一文になった際には、ギャンが彼を支援していたという記録も残っています。
冷徹な勝負師としての顔だけでなく、多くの人を惹きつける人間的な魅力、そして窮地の友を助ける利他的な側面。
リバモアという人物が現代まで語り継がれている理由は、その卓越したトレード技術以上に、彼の「人間性」にあったのだと感じずにはいられません。
私はこれまで、投機の世界は孤独なものだと感じていました。
でも私の中で、それは複雑化した社会の中で、自分らしく居られる数少ない場所のようにも思えていたのです。
しかしリバモアの生立ちや生涯、そして相場と人との関わり方を知るにつれ、
「自分らしさ」と「利己」は、まったく別物なのだということに気づかされました。
正直なところ、投機王の異名を持つリバモアが、ここまで人に対して温かい心の持ち主だとは思っていませんでした。
だからこそ、より強く惹かれてしまったのかもしれません。
どんな時でも借りを忘れない。
その姿勢こそが、彼が多くのトレーダーから愛され続けている理由なのだと、今でははっきりと感じています。

3. 【核心】3人の天才が「時間」に辿り着いた真実
「時間を味方につけるためには、まず“生き残る設計”が必要になる」
時間を待つためには、ポジションを保ち続けられる資金設計が不可欠です。
→ 時間を軸にしたトレード設計の具体例はこちら
本を読み進める中で、私の脳裏にはある確信が芽生えました。
投機の世界で安定した利益を得るには、とてつもない学習量に加え、自分自身を変化させる柔軟さと「素直さ」が求められるということです。
そして、その探求の果てに、彼らが共通して行き着いた答えが「時間」でした。
相場参加者の心理は「時間」と共に移ろう
投資の世界には、相場のサイクルを言い当てた有名な格言があります。
強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく
この心理の移り変わりこそが相場の正体です。
しかし、「悲観」が「懐疑」に変わり、「楽観」が「幸福感」へと熟成していくためには、どうしても絶対的な「時間」の経過が必要になります。
心理を可視化するための「時間論」という武器
リバモアが心理の移ろいを「待つ」ことで捉えたのに対し、それをより具体的な手法として昇華させたのが、一目山人やギャンだったのだと私は感じています。
- 一目山人の時間論:基本数値や対等数値を用いて、心理の変化が起きやすいタイミングを捉えようとした。
- ギャン理論:アニバーサリーデイトやカーディナルマップによって、過去の心理転換が再現する時間を読み解こうとした。
これらは単なる計算式ではありません。
「時間によって、人の心理はどう変化するのか」に思いを馳せ、値動きを捉えるための“心の物差し”なのです。
そして私自身、トレードにおいて最も意識するようになったのは、「エントリーを増やすこと」ではなく、「待つ時間を戦略として扱うこと」でした。
相場に参加しない時間、検証に充てる時間、そして負けた理由を言語化する時間。
それらすべてを含めて初めて、トレードは“前に進む”のだと、今では考えています。
過去の失敗を無駄にしないためには記憶に頼るのではなく記録として残すことが重要です。
記録方法はメモでもいいのですが、ブログをトレード日誌として使う方法もあります。
後から見返した時に、自分の判断や感情の流れが分かりやすくなります。
トレード日誌として記録を残したい方はこちら👇
偉大な相場師たちが残した共通のメッセージ。それが「時間」でした。
よく考えてみれば、私たちは少しでも早く富を得たいという欲望に飲み込まれ、時間さえも自分の都合の良いようにねじ曲げようとしているのではないでしょうか。
しかしそれは、自然の摂理に抗う行為であり、人の力が及ぶ領域を明らかに超えています。
私たちは、相場において最も大切な本質から、目を逸らし続けているのかもしれません。
偉大な相場師たちは、私たちが誤った方向へ進もうとするたびに、過去から静かに警笛を鳴らし続けてくれている。
この本の邦題である『欲望と幻想の市場』という言葉を、これからも自分自身への戒めとして、忘れずにいたいと思います。
次回予告:さらなる深淵へ
リバモアの教えは、この「時間の真理」だけに留まりません。
読み進めるうちに私は、「なぜ人は、理屈では分かっていても、負ける道を選んでしまうのか」という、より生々しい人間の弱点に直面することになります。
次回の記事では、リバモアが説く「プロとしての行動様式」、そして多くのトレーダーが陥る「毛皮のコートの罠」について詳しく考察します。自らの過ちを価値ある経験に変えるための、次なるステップへ進みましょう。
▶︎続きはこちら:【完結編】リバモアが説く「プロの行動様式」と人間の弱点



コメント