コロナショック後、市場は驚異的なスピードで回復した。しかしその裏で、回復を見届ける前に市場から退場していった投資家も少なくない。
それこそが相場で繰り返される「Wiped Out(指数が新高値を更新する中で破滅する)」という現象だ。
なぜV字回復は「安心」ではないのか
V字回復は多くの投資家に安心感を与える。
だが実際には、この局面こそが最も判断ミスが増えやすく、退場者が生まれやすいフェーズでもある。
指数の回復=自分の資産の回復ではない。
コロナショックとブラックマンデー|似て非なるV字回復
2020年のコロナショック、1987年のブラックマンデー。
どちらも歴史的暴落の後、指数はV字回復を果たした。
だが共通していたのは、
市場が回復しても、すべての投資家がその場に残っていたわけではないという事実だ。
日銀利上げで日経平均が3日で8,000円下落したときの投資家心理
日銀の金融政策をきっかけに、日経平均がわずか数日で8,000円以上下落した局面。
市場を覆ったのは「今回は本当に終わるかもしれない」という、理屈を超えた恐怖だった。
- 含み損を抱えたまま判断を先延ばしにする
- 恐怖から底値付近で投げる
- 反発初動では手が出せない
V字回復の直前に起きる「一瞬の崩壊」──フラッシュクラッシュ
V字回復の物語を語る上で、避けて通れない現象がある。
それがフラッシュクラッシュだ。
象徴的なのが、
2019年1月3日・正月三が日に起きた円フラッシュクラッシュである。
市場参加者が極端に少ない時間帯、
流動性が消えた市場で、ストップロスとロスカットが連鎖した。
流動性が消えたことによる、市場構造そのものの歪みだった。
「少しだけ」のつもりだった
苦い思い出だが、フラッシュクラッシュは、鮮明に記憶に残っている。
流動性がほとんどない時間帯だったから、「どうせ誰もいないなら、少しだけスキャルで抜けるだろう」
そう思って、ポンド円を持ってお風呂にお風呂に入った。
ちょうど仕事前で少し稼げたらラッキーだと思っていた。
お風呂から出てチャートを見た時に何が起きているか分からなかったのを覚えている
こんな流動性が低い時間帯に一体何が起きた?事実を確認する前に、
評価損は一気にマイナス5〜6万円。
損切りも、判断も、意味を成さなかった。
流動性がない市場では、正しい操作」そのものが存在しない。
その後、相場は落ち着いた。
だがその時、自分のポジションはすでに市場に存在していなかった。
V波動から地獄を見た経験は👇

だが、退場の原因は、相場そのものではなく、環境と準備不足だった可能性が高い。
もう一度向き合う前に、一度だけ「何を見直すべきだったのか」を整理してほしい。
一目均衡表が示す「V波動」という構造
こうした急落と急反発は、感情論ではなく構造として説明できる。
テクニカル分析において一目均衡表では、これを「V波動」として捉える。
急落によるI波動はその後反対のI波動によってV波動となることを知っておくだけでもリスクに敏感で居られると思う。
- 下落は恐怖とともに一気に進む
- 反発はさらに速く、迷う者を置き去りにする
- 戻りを待つ投資家ほど参加できない
2026年1月の円安局面ではレートチェック後に急落。楽観していた円安が円高ムードになるも、恐怖→懐疑→楽観で買い戻し。
例外なく自分も巻き込まれた。
半値戻しもしないと思っていたのに61.8%を超えた。
※一目均衡表の先行スパンはフィボナッチを引かなくても最高値と最安値の半値を示す。

V字反発は誰が作るのか|大口の仕掛け
V字回復は偶然ではない。
恐怖が最大化した地点で、大口が個人の投げを吸収することで形成される。
それでも退場した投資家|『Wiped Out』が示す真実
投資古典『Wiped Out』が描くのは、
市場が回復していく中で、個人だけが市場から消えていく現実だ。
V字回復でWiped Outにならないためのチェック
- ☑ 流動性を軽視したことがある
- ☑ 「少しだけなら大丈夫」と思ったことがある
- ☑ 反発後のチャートしか見ていない
- ☑ 資金管理よりタイミングを優先している
まとめ|指数は回復する。しかし人は回復できないことがある
V字回復は希望の象徴ではない。
それは理解できなかった者を静かに市場から排除した後の結果にすぎない。



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